見つめろ

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カケルは村に近付くと、微かに悲鳴を聞き取った。 悲鳴など物心ついてからは、いたずらした際に上がる悲鳴しか聞いたことがない。 だが、先程の悲鳴はそれとは異なった。 ━━なんだ今のは? 「さ……さあ」 直後、村から煙が上がり始める。 何が起こっているのか。 カケルは、せいぜい火事だと思っていた。 ━━見ろ。感じろ。 アイズがそう言うのと同時に、カケルの視界は暗転した。 先程までは違い、全てがモノクロ。 しかし、微かに青いものや赤いもの、黄色いものがうごめいているのが見えた。 それらが、村の中をあちこちに動き回る。 よく見ればそれは人の形をしていた。 そのうちの一つが何かを振り上げ、振り下ろす。 隣接していたものが倒れて徐々に小さくなる。 「なんなんだ……コレ?」 ━━これが我の能力だ。ものの根源や魔力、それらの流れを視界を介して見る。 「…………」 ━━先程みたく、徐々に小さくなるのは死を意味する。
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