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残りの男たちは蜘蛛の子を散らすように逃げた。
それを見て、剣を下げるカケル。
「倒せた……」
━━だな。
「でも、村は壊滅状態だ……」
「そうですね。ですが、生きているのだからいくらでも再建できますよ」
後ろから聞こえた声。
振り返ると、いつもと同じ笑みを浮かべるラークがいた。
「先生!」
「やあ、カケル。一部始終見ていました……。強くなりましたね」
「そ……そうかな?」
「ええ。幻影を使ってでも君を試した価値があるというものです」
「へ?」
ラークから聞かされた言葉に呆然とするカケル。
「え……幻影?」
「ええ、幻影魔法です。その眼でよく見なさい。君なら見透せるはずです」
カケルの左目を指差すラーク。
━━ほう。この男、我に気付いているようだな。
「ええ。カケルの両親から話は聞いていましたからね」
にこりと笑うラーク。
カケルは何がなんだかわからなくなり混乱していた。
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