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━━どうした?
「ッ!?」
急な声に、思わずカケルは顔を上げた。
声というより、頭の中に直接響いてくる感じだ。
━━何を驚いている?
「だ……誰だ!」
━━誰だ……だと?
「お前は誰なんだ!」
━━夢の中でも逢っただろうに。
カケルはハッとした。
夢の中で聞いた声。
それと同じ声だ。
これも夢なのか?
カケルは自分を疑いたくなった。
━━夢ではない。決してな。
「じゃあ、お前はなんなんだ」
━━お前が米粒並みの時から共に居たのだがな。
「…………?」
━━母の、カトレアの胎内から……な。
「嘘だ!」
━━嘘なものか。まあ、つい先程までは、覚醒出来ずに眠っていたがな。
「……訳わかんない」
━━左目の疼き。今はないだろう?
「あ……」
気が付けば左目の疼きはなくなっていた。
今までが嘘だったように。
━━我が覚醒する前兆だ。
「お前はなんなんだよ……」
━━『アイズ』だ。魔眼とも呼ばれる。太古の昔に封印されていたのだがな、気が付けばカトレアの胎内にいた。
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