‐The moon‐

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  「なーなー麗人。どうやったらそんなにウマくなれんだよ?」 「……そうだな、まずはリズムを体で覚えるとか?」  なるほど。そこで「よくわからない」とか言って自分のセンスの良さをアピールするのではなく、キチンとわかりやすく説明してくれるのは、麗人以外にいるのだろうか。いや、いないだろう。  生存本能で持ってきていたメモ帳にアドバイスを書こうとするも、筆記用具が見当たらない。アウチ。これでは、麗人さまのお言葉を書き留めることができぬ。  なんだか苦笑いしている麗人にシャープペンシル、略してシャーペンを借りた俺は、忘れないよう必死に綴っていく。……あ、“覚”って漢字間違えた。  俺が麗人からのありがたい助言を無我夢中にメモしているうちに、どうやら女性陣は言い合いが終わったようで、舞はずんずんと俺の方へと歩んでくる。 「早く練習しよ! 私たちがダンスでもラブラブなんだって、みんなに証明するんだから!」 「……へいへい」  
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