恋を彩る風の色 ～二人で描く未来予想図～

‐The moon‐

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　ことの始まりはときを遡（さかのぼ）ること、二日前。ちょうど文化祭を二週間後に控えた日のことである。

　俺たちの通っているこの学校の文化祭では、ひとつの大きなイベントが毎年開催されているらしい。まあ、らしいというのも、俺はみんなに合わせて高校受験したから、この学校について詳しく知らないからなんだけども。

　そのイベントの競技は毎年変わって、優勝したら超豪華な景品が出るとのこと。そして開催する競技が今日発表されるらしい。二週間しか期間を設けないのは、部活動をやっている人間とやっていない人間での差を小さくするためらしい。なんでそんなとこには拘（こだわ）るんだよ。もっと拘るとこたくさんあんだろ。

　とにもかくにも今日のホームルームにて、熊ちゃんの口から競技と景品について聞かされることとなる。まあ自分としては、超豪華と噂される景品が欲しいわけで。部活動もしてないからヒマだしね。

　今日すべての授業が終わり、いつものように上機嫌にスキップをしながら熊ちゃんが教室へと入ってきた。