恋を彩る風の色 ～二人で描く未来予想図～

‐The moon‐

　だけどまあ、今年はなんか難しいなぁおい。麗人情報だが、去年とかはテニスだったから、優勝とかは分かりやすいものだったのだが……ダンスってねえ。優勝条件が不確定すぎるでしょ。

　ぶっちゃけガチで優勝を狙っている俺からすれば、プロでないかぎりアバウトな採点しかできそうにない競技というのは、果たしてどうなのだろうか。合唱コンクールとかがあるじゃん、とか言われたら黙って頷くしかできないのだが。

　こうなったら審査員になる先生たちに賄賂でも贈ってみるか、だなんて考えずに、ダンスとか今までやったことないんだけどなー、と意外とマジメに考え始めた俺はエラい。

　なんだかんだ言ってわりと難しい顔して優勝する算段をつけようとしていた俺の耳に、熊ちゃんの口から信じられない言葉が入ってきた。

「そしてそしてぇ……なんと優勝賞品は、“男女ペアで行く、二泊三日の温泉旅行～日ごろの疲れをとるついでに大人の階段ものぼっちゃおう～”だッ!!」

　学校サイドは生徒に一体なにをさせる気なんだ。