‐The moon‐

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  「やったー! プッチンプリンちゃんが勝ったー! やっぱり凛はプッチンプリンちゃんが好きー!」  果たしてそんなモンスターが存在するのだろうか?  俺の知っているゲームでは出てこなかったような気がするのだが……まあ、そんなことは置いといて。今となってはクラス全体が凛の机上で行われていた激闘に注目していたのはなぜなのだろう。時間の無駄がハンパじゃない気がするのだが。  フツー担任の教師ならホームルーム中と言えど、手遊びして話を聞いていない生徒くらい注意するだろ。まあ、そんなとこも熊ちゃんのいいとこなのだが。  凛も凛で、「あっ、瑞穂ちゃんなにー?」とかひと仕事終えて達成感マックスの語調で訊いている。「ううん、なんでもない」と返した瑞穂は大人だ。俺ならツッコミをいれずにはいられない。そのままスベるのが目に見えていたとしても。 「とにかく」  熊ちゃんがひさびさに口を開いた。 「ダンス頑張れよお前ら!」  シメんなや。  
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