‐The moon‐

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          ◆ ◆  ――とまあ、そんなこんなでダンスの練習中でございます。  最初は凛がプロの先生でも呼んで教わるか、みたいな話も出たのだが、それじゃ不公平だろ、みたいな心の奥底まで透き通っている俺の良心により、それは否決された。……ゴメン、嘘ついた。前者の発言が俺です。悪気はなかったんだよ。  結局、俺たち六人全員が出場ということになり、凛の豪邸の中にある練習場――さすがは天下の伊集院家――で、競技ダンスの本やらDVDやらを見ながら練習なうです。あ、わかりづらい? 練習中ということです。  瑞穂も最初は熊ちゃんによる問答無用の強制出場に異を唱えていたのだが、やるからにはマジメにやる、をモットーにしているゆとり世代ではなかなか見れない優等生気質なので、マジメに取り組んでいる。パートナーの大輝の発言権はないようだが。  麗人も凛もメチャクチャやる気があるというわけではないようだが、別段やる気がないわけでもないらしい。優勝どうこうより、ダンスを楽しもうという心意気か。特に凛はそういうタイプだもんな。  
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