‐The moon‐

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  「じゃあ最初からもう一回!」 「ん、おけ」  というわけで、俺と舞ペアのダンス練習再開。ここにきてやっと、ダンスらしい形にはなってきてはいるのだが、やっぱり女子がこんな至近距離にいるって、なかなか平静じゃいられないわけよ。  いっつも舞がベタベタしてくるから、別にどうってことはないだろ、みたいに思っていたわけなんだが、向かい合って目と鼻の先にコイツがいるっていうのは……やってみると厳しいもんがあるようだ。  これなら思いっきり抱きついてきてもらった方がまだ無心でいられるみたいな、歯がゆい距離感。わかるかなこれ?  しかも今は真剣な表情でダンスを頑張っているわけだから、いつもの変態ぶりは鳴りをひそめているわけで。とにもかくにも、やりづらいわけなんですよこれがまた。 「翔そうじゃない!」 「あ、ゴメン」  関係ないこと考えてたら、ステップを間違えてしまったみたいです。舞に大声で怒られました。ちょっと怖かった……。  
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