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「では、みなさま。着替えが終わりましたら、またお呼びください」
そう言って深くお辞儀をし、部屋から出る執事さんの背中に、俺は敬礼をせざるをえなかった。ああ、人の優しさって、なんてあったかいんだ。
扉が閉まって、執事さんの姿が見えなくなったのを確認したあと、俺はハンガーにかかっている自分の制服に着替えるため、練習着を脱ぐ。
「…………」
「……ん、どうした翔?」
「麗人さんや麗人さん。どうしてアナタのおなかは割れているの?」
まるで板チョコのように綺麗に割れている腹筋をペタペタとさわりだす俺。麗人は苦笑いをするだけで、大したアクションはとってこない。
しまいには大輝までも割れているのだから、ホント冗談じゃない。俺だけ上裸のときは腹を引っ込める人間なのか。腹出てるあるあるである。
「いった!? 翔、おま、なにやってんの!?」
「ん、ああ悪い。お前の腹筋が助けてくれ、って叫んでいるように見えたからさ」
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