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ガリガリガリ、と大輝の腹筋を救出しようと頑張って削ぎ落とそうとしていたわけなんだが、どうやら俺には荷が重かったみたいだ。ゴメンな、大輝の腹筋たちよ。
筆舌しているよりもグロくないから安心してほしいが、大輝のおなかは真っ赤になってしまったとさ。反省はしてるよ。後悔はしてないがな。
「なあ、翔。ダンスはどんな感じ?」麗人の問いかけに、俺はタオルで汗ばむ体を拭きながら口を開く。「んー、まあ楽しめてんじゃないかな」
そっか、とだけ言葉を返した麗人の意図がわからず、顔をそっちに向けると、イケメンハーフは肩をすくめるのみ。なんだ、イケメンは一体なにが言いたいんだ。
◆ ◆
その後は別段ダラダラと特筆すべきことはなく、ただいま現在、俺と舞は凛の豪邸――略して凛邸から自宅までの夜道を二人でウォーキングなう。
学校から直で凛邸まで足を運んでいるため、今の俺たちは制服姿。だからと言って、そこからなにか話が広がるわけではない。
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