‐The moon‐

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  「じゃあ問題ですっ。“いっぱい”の“い”を“お”に変えるとどうなるでしょう?」 「…………」  うわあ、コイツ真性のバカだったのかよ。  隣で「シンキングタイムスタート! かっす、かすかすかっす、かっす、かすかすかっす」と意味不なかけ声と踊りで制限時間を設けているバカに、俺は冷たい視線を送るしかなかった。  とりあえずなんかミョーにイラつく踊りをとめるために、しぶしぶ口を開く。「“おっぱお”ってなんだよ」 「しまった!」  自分の犯したミスには気づいたみたいです。両手で頭を押さえながら、俺の口から放たれた無情な現実に、舞はただただ目を見開いて驚くことしかできなかった。  若干ヒステリックなリアクションを見せてくれた舞であったが、しばらく考え直すと再び口を開く。 「では、気を取り直してもういち問! “いっぱい”の最初の“い”を“お”に変えると?」 「思いつかなかったのかよッ」  思わずつっこんでしまった。  
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