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それから、俺は出されたコーラを飲みながらマスターの話を聞いていた。
なるほど従業員自体は少ないけれど、しかし客もそれ相応少ないらしい。
エコワークキングとか店長はほざいてたけど生計はなりたっているんだろうか。
とにかく、俺はマスターから支給された仕事服に着替えて、やっとカウンターの中から外を見渡す側へと移り変わった。
「おぉ」
思わず声をあげてしまう。
人生初のバイトというだけあってなかなかのワクワク感。
「村ちゃん。今日接客はいいから神崎とコップ洗いと清掃頼むわ」
横からマスターが指示をだす。
もう村ちゃんでいいや。
神崎が立つ横に並んで立つ。
「・・・」
何していいか全くわからん。
その時だった。
「えっと・・・私、神崎千広です。む、村ちゃんって呼んでいい・・・かな?」
可愛ぇ。
でも
「村ちゃんはやめて」
マスターマジ殺す。
「普通に村田か、たかひろでいいよ」
「あ、うん・・・」
そういってまた神崎は視線をコップに戻す。
顔がほんのり赤く染まっている感じがなんかいい。
「っていうかマスター」
俺は振り返り言う。
「俺の後ろ3㎝で何してるんすか?」
マスターはにこりと笑ってこういった。
「見つかっちゃったっ」
きめぇ。
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