12人が本棚に入れています
本棚に追加
「ま、まぁ大人に見えるってことよっ」
マダムはバレバレの造り笑いで場をやり過ごす。
・・・まぁ、いいや。
良い人でよかった。
一応俺もマダムに造り微笑みを返し、何か指示を貰おうとマスターへと笑顔のまま視線を移す。
「マスター何かすることありま・・・」
----------俺は思わず息を呑み、目を疑った。
誰だ、あそこでカクテルをミックスしてる超絶イケメンは。
「お待たせ致しました。パッション・コンティネントです」
「ありがと」
・・・・・・かっけぇっ!
なんだよマスター雰囲気出過ぎだろ!
見直したぞ!
いやーやっぱりバーテンダーはいいな。
いや。
ちょっと待てよ・・・
パッション・コンティネント--------?
パッション=情熱
コンティネント=大陸
情熱大陸・・・
葉加瀬太郎・・・
「見損なったぜ・・・」
「ん?なんかいった?」
「い、いえ。何か仕事はないかなって」
本日何回目かわからない造り笑顔をマスターに向ける。
「そうだな。もう客来ないし。神崎とバックルームの掃除頼むわ」
「バックルーム?」
「控室、スタッフルームの事だよ。こっち」
俺は神崎に手を引っ張られながら、そのバックルームに向かう形になった。
まさかここであんな事になるなんて、予想だにしなかった----------
最初のコメントを投稿しよう!