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分かれ目
「さーって今日もおわった~。」
ユウキはあくびをしながら靴を履き替えていた。
「ユウキ君!何してんのさ!」
タツが走ってきた。
「何って帰るにきまってんじゃん。」
「今日部活見学だよ!」
「えっ?」
「昨日言ったじゃん!しっかりしてよ。」
ユウキはタツに手を引っ張られながら体育館に向かった。体育館ではバスケ部が練習していた。
「オレやめたって言ったのに…」
ユウキは口をとがらせながら言った。
「ずべこべ言わないの。」タツは張り切っている様子だった。
しかしバスケを見ていたユウキの目が変わった。じーっと見つめていた。
「こんなもんか。」
ユウキは大きなため息をついて言った。
「おいっ!なんだお前!やってもねぇのに文句言うな!」
バスケ部のキャプテンらしき人が怒鳴ってきた。
「ならこうしません?一対一で先輩が勝ったらオレはバスケ部に入ります。オレが勝ったらバスケ部に入らない。どうですか?」
「・・・いいだろ。でもお前練習着ないだろ。」
「制服で十分ですよ。」
「なめやがって。」
キャプテンは凄く怒った様子だ。ユウキはブレザーを脱ぎボールをキャプテンにわたした。
「さぁどうぞ。」
勝負は圧倒的だった。ユウキの勝利だった。ユウキのプレーは流麗でまるで鳥が羽ばたいているかのようなプレーだった。
「まぁこんなもんかな。」ユウキはブレザーとカバンをもち体育館を出ていった。「無駄に汗かいちまった。」
ユウキは汗を拭きながら帰っていた。
「ユウキ君!」
タツが息を切らしながらはしってきた。
「なぁユウキ君ってやめない?ユウキでいいよ。ユウキ。」
「あっ…うっうん。オレ、ユウキがやんないならオレもやんないや。」
「はぁ?お前はやれよ。オレに合わせなくていいから。」
ユウキは呆れた顔で言った。
「なんかユウキのプレー見れないならやりたくないなって思ってさ。」
タツは笑って言った。
「・・・勝手にしろ!」
ユウキは暑そうなそぶりを見せながら家に帰った。
(これでよかったんだよな。)
ユウキはベッドによこになりすぐに寝てしまった。
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