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振り向いてみるとそこには意外な人物。
同じクラスの友達で、よく男子と混じって校庭で遊んだりしている愛がいた。
今日もボーイッシュな格好をしている。
「なんでお前がここに?」
「ここ、私の父親がオーナやっている旅館だから」
呆気にとられた。
きっと愛から見るとかなりマヌケな顔になっていただろう。
「そんなに驚くことかしら?」
驚くことだ。
驚くなというほうが無理がある。でも確か、
「昔、愛のお父さんは普通の会社員だったって聞いた覚えがあるけど」
「ああ、それね。
実はこの旅館、元は私のおじいちゃんが経営していたんだけれど、おじいちゃんが二年前に死んじゃって、お父さんが急遽この旅館の経営を引き継ぐことになったってわけ」
「へぇ~、そうだったのか。
でも、なんで来てるんだ?」
「お祭りがあるでしょ」
なるほど。
愛は父親がいるから容易に来られたのだろう。
だが俺たちはどうなのだろうか。
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