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ふいに翼が叫ぶ。
さっきからうるさい奴だ。
「じゃあ旅館に泊めてくれないかな。
間違えて一日早く来ちゃったんだけど、金もないし迷子になっちゃって」
う~ん、ちょっと考える素振りを見せる。
「しょうがないわね。泊めてあげる。
お父さんには私から言っておくから。
きっとオッケーしてくれるわ。
お金もないんでしょ。
貸しにしといてあげる」
「おおっ、ありがとうございます。神様」
「おおげさね。あまり気にしないで。
さあ、三人とも中に入って」
建物の入り口まで辿りつくと遠くから見たときよりずいぶんと大きかった。
それに、古い。
ところどころリフォームされた跡があるが、昔に作られたものだというのは一目でわかる。
だが、ここでは驚くほどのことでもないのだろう。
回りにも老舗らしきものがたくさんあった。
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