プロローグ

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問題文は四合と九合のコップを使って七合を計れ。 ちなみに容器は他にはないが、水はいくらでもある。 一見難しそうに見えるけれど、やり方さえわかってしまえば簡単な問題だった。 「こんなのもわかんないのかよ。仕方ない。教えてやるよ」 「え、和也わかったの?」 とても意外そうな顔される。じゃあ聞くなよ。 「これぐらい楽勝だよ」 「すげー和也。クラス一の天才より頭いいじゃん」 「俺の得意なジャンルだっただけだよ。じゃあ説明するぞ。 まず、四合に水をいっぱいにいれてから、九合に移す。 そのあともう二回、同じことをする。 そうすると、入りきらないだろ。 その分は四合の方に残しておくんだ。 そして九合に入っている水を全部捨てる。 そうしたら、四合に入っている三合を九合に移す。 それで、一番最初の手順を繰り返す。これで七合になるだろ」 手を筒状にしてコップ代わりにしながら一生懸命考えている優太にたずねる。 「・・・・・あっ、本当だ。さすが和也」 それと同時にちょうど、交差点にさしかかった。 ここから優太とは帰り道が違う。 「また明日な」 「うん、じゃあね」
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