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教室にチャイムが鳴り響く。
授業の終わりのチャイムだ。
このチャイムを聞くとなんだか体が楽になる。
息を吐きながら伸びをすると、そこへ翼がやってきた。
「和也、知ってるか?クリスマス・イブの日に、桜ヶ丘公園でお祭りがあるらしいぞ」
「行くのか?」
「もちろん。オレと和也と優太の三人で行こうぜ」
お祭りか、まあ楽しそうだし予定もないしな。行ってみるか。
「いいよ」
「じゃあ、詳しい日程は夜に電話で話すから。じゃ」
それだけ言うと今度は優太のほうへと向かっていった。
ずいぶんとはりきって見えるのは気のせいだろうか。
ん、待てよ、今日は確か
・・・・・二十四日だ。
「おい翼、今日じゃないかよ」
「えっ、ホントだ。じゃあ学校帰ったらすぐに駅でな」
強引だ。すごく強引だ。
お祭りくらい諦めちゃえばいいのに。
まあ仕方ないか、行ってやろう。
と思うと同時に今さっき聞いたような気がするチャイムが鳴り響く。
休み時間は短いものだ。
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