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「んん、やっぱり貫太はC1上手いな‥コーナーの出口でわずかにこっちが遅れをとってる」
陸はコーナーを曲がりながら貫太のコーナーリングはやはり上手いなと思うと同時に自分の遅れに焦っていた。
「フン、おいおい、これは‥コーナーあと3つくらいで終わるんじゃないか?」
貫太はバックミラーからS字コーナーを抜けた後陸が少し遅れたのを確認すると、小声でそんな事を呟いた。
「‥だが、このS字が終われば、そこから先は俺だって得意なんだ」
しかし陸は、このS字コーナーを抜けた後の9号線エリアからは得意だった。
なので陸はここさえ抜ければと思い、必死に貫太についていった。
「よし‥ここからが本当の勝負だ」
その結果、貫太にはなんとか離されずにS字コーナーを抜ける事ができた。
陸はS字コーナーを抜け、9号線エリアに入ると、アクセルを強く踏み、陸の隣にゆっくりと並んでいった。
「よし、並んだ!」
「‥なるほど、あいつ‥ここからが本番って事か‥いいだろう」
貫太はチラッと隣の陸の方を見ると、そう呟き、ギアを1つ上げてアクセルを踏んだ。
「‥離されるかよ」
陸は、貫太がギアを上げるのとほぼ同時にギアを上げ、そのまま隣に並んでいった。
「やるな‥だが、並んでるだけじゃ‥意味はないぞ、こっちはこの速度ではそっちより断然伸びが上なんだからな」
貫太はそう言うとアクセルをさらに踏んでいった。
すると隣にいた陸は一瞬で貫太の後ろへと移動した。
「クッ‥やっぱり向こうの方がこの速度からの伸びは向こうの方が上か‥となると、次に仕掛けるとすれば‥やっぱり海底トンネルを抜けてからの湾岸線か‥」
陸は舌打ちをすると、小声でそう呟き、再び貫太を後ろから追っていくのだった。
その頃
「2人共ごめんなさい、急にこんな所に呼び出しちゃって‥」
ある学校の近くでは、歩美が自分より身長低い女子と身長が高い女子2人に会っていた。
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