赤ずきんちゃん

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「あ、そうだ!!音木くんに魔法かけて良い?早めにやっとかないと忘れそうで」 「ありえるな……じゃあかけて貰うか。痛くないよな?」 「だいじょ~ぶ!!私を信じなさい。 じゃあいくよ」 愛流は本を持ち、俺の頭に手を乗せると、何やらつぶやいた。 「……この者の能力を高めよ」 本が光り、その光が俺を包み込んだ。 そして、叙所に光が薄れていく。 「終わったよぉ」 俺は目を開けた。 「特に変わったところはない気がするんだが……」 「そりゃそうだよ。ウサギが近づかないと効果を発揮しないもん」 「それもそうか……」 童話の声を聞く力…… この力をなくすために、俺は今、この力を強めた。 変な話だよな…… 「そういや、お嬢」 俺はお嬢の方を向いて声を掛ける。 「「お嬢?」」 愛流とひかるちゃんが声を上げる。 「ん? あぁ、なんかあいつお嬢様っぽいからさ、勝手にお嬢って呼ぶことにしたんだ」 「勝手に決めないで」 お嬢が怒り出した。 「じゃあなんて呼べば良いんだよ。上之宮様?玲菜ちゃん?」 「あなたに言われると鳥肌が立つわ」 「それならお嬢で良いじゃん」 「……ふんっ」 了承したらしい。 「決まりな。 んでお嬢はなんでアリスを追ってるんだ?」 「あなたに話す義理はないわ」 「そうですか」 はいはい。 期待はしてませんでしたよ。
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