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「確かに。赤ずきんちゃんにはおばあちゃんもりんごもオオカミも出てくるね」
愛流が納得したように言う。
「で、今はどこら辺で声は聞こえるんですか?」
「ちょっと待って」
もう一度音に集中する。
『もうすぐ着くわ~♪』
すぐそばで声が聞こえた。
「この……部屋にいる……」
みんながいっせいに俺を囲むようにして、外側に構えた。
愛流は本を開き、お嬢はマシンガンを持ち、ひかるちゃんは女の人になっていた。
「今はどこ!!」
お嬢が叫ぶ。
『着・い・た』
頭上から声が聞こえた。
「上だぁー!!」
全員が一斉に上に向けて攻撃を仕掛けた。
「くらえぇぇ!!」
(ドドドドドドドドッ)
お嬢が連射する。
「出でよ炎!!」
(ゴォォォォッ)
真っ赤な炎を出す愛流。
「ギャアアアアアアアアアア!!」
悲鳴をあげて天井から何かが俺らの真ん中に落ちた。
一斉にそれから離れるように俺らは後ろに飛びのいた。
落ちてきたのは赤い塊……
いや、赤い頭巾を被った人だ!!
倒れていたそいつは、キッと怒ったようにこっちを睨む。
目は真っ赤で、口からは牙が生えている。
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