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飛び込んだ瞬間、すぐに地面に足がついた。
てっきり落ちていくのかと思った……
「何をやってるのよ、追うわよ」
お嬢が目の前に広がる森へ走っていく。
他の二人も先を走っているのが見えた。
「ま、待てよ!!」
俺も後を追う。
三人の後を追い、森の中へとどんどん入っていく。
赤い空に薄暗い森。
見たこともない木に混じって並ぶリンゴの木。
ここはどこなんだよ!!
「はぁ、はぁ」
前の少し広くなった道で止まっていた三人にやっと追いついた。
「おい、ここはどこなんだよ」
息を切らせながら聞く。
「ここは、ウサギの世界よ」
俺の目を見てお嬢が落ち着いた声で言う。
「ウサギの世界?」
「つまり、赤ずきんちゃんの童話の世界ってことだよ」
指を立ててマイペースに答える愛流。
「童話の世界って……」
「気を付けてください。ここでは相手がかなり優位な立場になります」
緊張したように答える女のひかるちゃん。
じゃあなんで来たんだよ!!
「音木!!あんたがいる理由は分かってるわね」
「わぁってるよ!!」
俺は声を聞こうと必死に集中した。
『オオカミさんが来るぞ♪』
聞こえた!!
さすがウサギの世界。
ちょっと集中しただけで凄く良く聞こえる。
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