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「前方からオオカミが来るぞ!!赤ずきんも一緒だ!!」
三人が険しい顔になり、一斉に前を向く。
息の荒いオオカミ達が前から走って来るのが見えた。
そして、その後ろに不気味に笑った赤ずきんがいる。
「くらえぇぇぇ!!」
どこから取り出したのか、お嬢がグレネードランチャーを発射した。
(ズドンッ)
オオカミ達が吹っ飛ぶ。
しかし、その後ろからもオオカミはやってくる。
「出でよ雷!!」
愛流が叫ぶと、空から雷がオオカミに向かって落ちる。
当たったオオカミ達は、倒れて動かなくなった。
次のオオカミ達が来る一瞬の隙を見て、ひかるちゃんが赤ずきんに向かって、風を切るような鋭い蹴りを入れた。
(ガッ)
「が、ガードした」
赤ずきんは腕で蹴りをガードしていた。
「さっきは食らって吹っ飛んだのに……」
何度蹴りを入れても両腕でガードされてしまう。
「な、なんで……」
「これが現世と童話の世界の違いよ!!」
オオカミをマシンガンで撃ちながらお嬢が言う。
「ここではウサギの力が倍増するの!!」
愛流が炎を放ちながら叫ぶ。
「このままじゃキリがないわね……」
マシンガンに弾を補充しながらつぶやいた。
必死に戦う三人の姿が、あまりに現実離れしていたため、俺はただ呆然とするばかりだった。
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