赤ずきんちゃん

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「シャアアアアッ」 後ろからオオカミと赤ずきんが追ってくる。 「うそ!! 十秒もたないなんて…」 「仕方ないわね、みんな行くわよ!!」 三人は後ろを向き、一斉に攻撃を仕掛ける。 「音木は行け!!弱点を見つけるんだ!!」 男の姿のひかるちゃんが叫ぶ。 「分かった!!」 後ろで爆音を聞きながら俺は走った。 日ごろの運動不足を呪った。 「くそぉぉぉぉ!!なんで俺こんなに足が遅ぇんだよ!!」 息切れをしながらも必死に走った。 すると…… 「あった!!」 家の屋根が見えてきた。 「よし、もうちょっと……」 「グアァァァァ!!」 「え?」 後ろを見ると、赤ずきんが追ってきていた。 物凄い形相で追ってくる赤ずきん。 怖ぇぇぇぇ!! その後ろから三人も追ってくる。 これ、弱点見つけて赤ずきん倒さないと、俺殺されるだろ!? 「おりゃぁぁぁ!!」 最後の力を振り絞って走る。 家のドアが見えた。 後ろを見ると、もう赤ずきんまで五メートルもなかった。 「おわぁぁっ!!」 俺はやっとの思いで家にたどり着いた。 そして…… 赤ずきんが俺に触れるかどうかの寸前で、俺は家のドアを開けた。 「ギャアアアアアアアアアア!!」 すぐ後ろで絶叫が聞こえる。 え? 俺まだドアを開けただけで何もやってないのに。 赤ずきんは後ろで固まっていた。
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