赤ずきんちゃん

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「あとは私に任せて!!」 愛流は本を開くと、何かをつぶやく。 「……この者に与えられし魔法よ、我が本の元へ帰れ!!」 本が今までとは違う色に輝く。 赤ずきんも輝き、光が本へと吸い込まれていく。 そして、少しずつ光が薄れていった。 完全に光が消えると、愛流は本を閉じた。 「回収完了!!」 魔法を回収された赤ずきんは、普通の少女の姿に戻って倒れていた。 「大丈夫でしたか音木さん!!」 普段の姿のひかるちゃんが駆け寄ってくる。 「あぁ……」 「でもすごいですね。音木さん、何をしたんですか?」 何をしたって言われてもな…… 「ただ家のドアを開けただけなんだよな……」 家の中を覗いても何も変わったものはないし。 ただ誰も寝ていないベッドがあるだけ。 それでなんで赤ずきんは止まったんだろう…… 俺は倒れている赤ずきんを抱き起こそうと、頭巾に触れた。 瞬間、フラッシュバックのように俺の頭に映像が流れ込んできた。 そして俺は…… 気を失った。
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