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「どうしてこんな……童話の声なんて聞く力を……」
どうして……
俺はなぜか、泣き出しそうになりながら声をあげた。
「音木……道和……」
アリスが振り返って俺の名前を呼んだ。
「それは、あなたにとっての、パンドラの箱……」
「パンドラの箱?」
あの神話のか?
「赤ずきんの開かずのドアと同じ……開けないほうが良いもの……」
知らないほうが良いってか……
「だけど、いつかは開けなくてはいけないもの……物語を続けるために……」
どうしてアリスはこんなに物語を続けたがるんだ……
「あなたが力の意味を知る日は、いつか来るわ……」
アリスが悲しそうな顔をしているのをみて、なぜか俺まで悲しくなってしまう……
これも俺の力のせいなのか?
そして、光に包まれ、アリスは消えてしまった。
俺の疑問は残ったまま。
ますます謎は深まっていった。
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