物語は続く…

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「音木くん!!音木くん!!」 俺は名前を呼ばれながら体を揺すられた。 触覚がピョコピョコと動いているのが見える。 「ん……愛流……?」 「音木さん、起きてください」 ショートカットのシルエットが見えた。 「ひかる……ちゃん?」 「いつまで寝てるのよ」 イライラしたような声がきこえた。 そして、俺の背中に衝撃が走った。 「いってぇぇぇ!!」 一気に目が覚める。 「お嬢!!蹴りはないでしょ!!」 そう、お嬢は俺の背中を思いっきり蹴ったのだ。 「じゃあ鉛玉を体に打ち込んだほうが良かったかしら」 「優しく起こして頂いて感謝いたします!!」 目覚めた場所は、フェアリーテイルの本部のあの部屋だった。 「って、音木くん何泣いてるの? 玲菜ちゃんの蹴り、そんなに痛かった?」 「えっ……」 頬に手をやると、確かに涙が流れていた。 「私、そんなに強く蹴った覚えはないわよ」 「いや、これは違う……多分……」 赤ずきんとアリスのことを話そうと思ったが、やめておいた。 アリスのあの悲しそうな顔を思い出したら、なんだか今は言わないほうが良い気がしたから。 「多分……何?」 「多分……心の汗だ……」 「……くだらない」 お嬢が吐き捨てるように言う。
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