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『昔々、赤ずきんという、それはそれは可愛い女の子がいました。
赤ずきんは、おばあちゃんのことが大好きでした。
しかし、ある日、おばあちゃんが病気で突然亡くなってしまいました。
赤ずきんは悲しみ、泣き続けました。
ある日、赤ずきんがいつものようにおばあちゃんの家の前で泣いていました。
すると、おばあちゃんの声がどこからか聞こえました。
その声は言います。
「前に進みなさい」と。
赤ずきんの心は悲しみでいっぱいでしたが、おばあちゃんの声の通り、前に進むことにしました。
そして、おばあちゃんが亡くなった日以来入ってなかった、おばあちゃんの部屋に入りました。
懐かしいおばあちゃんの匂いがしました。
そして、赤ずきんは見つけました。
おばあちゃんが亡くなった日には見つけられなかった、あるものを……
それは、テーブルの上のお皿にのった、真っ赤なリンゴ。
おばあちゃんと約束した、あの日のリンゴ。
赤ずきんは、そのリンゴをしっかりと抱きしめ、部屋を出ました。
赤ずきんの心には、悲しみ以外の感情が芽生えていました。
赤ずきんは前を向いて歩いて行きます。
まだまだ、物語は続いていきます……』
アリスは、読んでいた童話の本からゆっくりと顔を上げた。
そして、少し嬉しそうに言った。
「これで……物語が続くわ……」
赤ずきんTRUE END
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