第一次ショコラ大戦

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とある平和な午後。 とある家でおやつの時間がおとずれる。 「む、アカネ。お前のショコラケーキ私のより少し大きくないか?」 そういったのはこの『田崎家』の長女であるアオイ。 高校一年の彼女はちょっと『アレ』なところがあるが、たまに機転がまわるという摩訶不思議な頭をもつ女の子である。 「大きく見えるのはお前が目を大きく開いているからだよ」 こう答えたのはこの『田崎家』の次女であるアカネだ。 中学二年の彼女は、少しばかり賢く生意気な女の子である。 「そうか、なら目をつむれば大きく見えないのか」 「そうだよ」 『何も見えなくなるけどね』っと心底馬鹿にしているアカネである。 「…ってそれじゃあ何も見えないだろ!」 今更どうでもいい突っ込みにいちいち反応するほど優しくないアカネはショコラケーキにフォークをさした。 アオイの方の…。 「…なぁアカネ。私にはお前が私のショコラケーキにフォークをさしているように見えるのだが…」 「それはお前が目を大きく開きすぎているからだよ」 そしてアカネは一口サイズにショコラケーキを切るとそのまま口に運ぶ。 「おいアカネ。お前はいったい誰のショコラケーキを食べているんだ?」 「私のだ」 黙々とショコラケーキをいただくアカネはアオイと会話する気はない。 「お前に近い方にあるショコラケーキはいったい誰のだ?」 「私のだ」 「私のは?」 「私のだ」 半分ほど食べ終わったアカネはペロペロとフォークをなめながら答える。 「…これは宣戦布告とみたぁ!!」 少々騒がしくなってきたようだ。
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