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「よしアカネ。その『三分の二』の半分は私がもらおう」
すると何故かアカネが普通に『三分の二』のショコラケーキにフォークを突き刺し、食した。
「さぁ、半分にするんだな?」
アカネはペロリとフォークを舐めながら答えた。
「待て待て、今お前確実に食したよな?」
アカネが食べたことにより、『三分の二』より小さくなったショコラケーキを半分にしても『三分の一』にはならないことはアオイでもわかることだった。
「お前は馬鹿か?この目の前にあるショコラケーキを半分にして、半分をお前に渡し、もう半分を私がもらえば、結局取り分は同じ半分に決まってるじゃないか」
もっともらしい嘘がアカネのモットーである。
「な、確かに…つまらないことで中断して悪かった」
納得したアオイは謝罪した。
全く持って『アレ』な子である。
「気を付けてくれたまえ、私は繊細なんだ」
抑揚の無い表情と声で応えるアカネは、すでに姉に対する興味など皆無である。
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