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するとアカネは再びショコラケーキを食す。
「…そうか!どうせ半分ずつにするのだから、半分にする前ならいくら食べても大丈夫…何故なら食べた後のものを半分にすから!」
全くもってわけのわからない納得の仕方をする子である。
「まぁな」
特に興味のないアカネはショコラケーキを食べながら適当に答える。
「なら遠慮なく」
そしてアオイがショコラケーキを食べようとフォークをのばす。
しかしアオイのフォークは再びアカネによって防がれる。
「何をする。ショコラケーキが危ないじゃないか。」
「だって分ける前だから良いだろ」
「いったいお前は何を言っているんだ。食べちゃったら減っちゃうだろ。つまり食べた分は自分の取り分と加算するべきだ」
もはや言いたい放題自分の持論をねじ曲げるアカネ。
「な、確かに…」
そこでアカネの取り分が多いことには気づかないアオイ。
「まったく、私は繊細なんだ。気をつけてくれたまえ」
そういってもう一口ショコラケーキを食べるアカネ。
「今食べたのはアカネの取り分ってわけだな」
「いかにも」
「なら私も取り分を…」
アオイがさしのばした手を軽くはたくアカネ。
「たわけ。世の中には順序というものがある。今私が食しているのにお前が食べたら、お前は割り込んだことになる。割り込みはクズだよ」
そしてショコラケーキをまた一口いただくアカネ。
「クズ!?クズは嫌だ…」
可哀想なアオイである。
こうしてアオイはアカネが食べ終えるのを待っていたのだが…
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