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少年はそんなグリューの様子に呆気に取られていたが、泣きそうなグリューに気付き返事をするも、その時グリューの手がケガに触れたのだろう、目を細めて痛そうな素振りを見せた。
「ぁッここ血がッ」
血を見た時グリューの瞳に溢れんばかるの涙が貯まった。
少年からしてみたら、ただの擦り傷で大した事は無いのだが、グリューからしたら血が出たらもうアウトなのだ。
「ッ保健室はっ!病院ッ!レスキュー隊!!」
もぅ規模がおかしい。
というか掠り傷程度で保健室の時点ですでにおかしいと少年はこっそり突っ込んだ。
「シャロン?どうかしたんか~」
どうやら少年の名前はシャロンと言うらしい。
いきなり現れた、独特な喋りをした金髪で綺麗な茶色い目をもつ、長身の美形にグリューは驚くが、きっと帰りの遅いシャロンの様子を見に来たのだろう。
グリューは、そう思い、一人で納得をした。
こういう時だけは冷静な思考が無意識に働くらしい。
その時、金髪の少年の視界にシャロンのケガが写ったらしい。
「うわっ地味に痛そうやなぁ、その怪我。どないしたん?」
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