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その後、体育館に入ったらあまりに広くてビックリした。凄い。映画館みたいだ。
「また驚いてるの?」と仲のいいスタッフの人に言われる。
「は、はい。」あまりにスケールが違い過ぎてなにか圧倒されてしまう。
「うちの事務所は一年に一度、ここで体験談の発表をするんだけど。こんなに驚いたのは君が初めてだよ。」とスタッフ。
あー、やっぱりな。まだまだ驚くことがあるんだろうな。
「今から校長先生に会いに行くから真矢、着いてきて」手招きをして私を誘うマネージャー。
「了解」と言って着いていく。
校舎の中に入ってみるとまた驚いてしまった。綺麗で広くて。
「まだ、新しいの?」
「130年の歴史を持っている伝統校だよ。結構有名だけどね…」苦笑いを浮かべて言った。
そんなことを言われても知らないのだから仕方ない。と開き直った。
校長先生の部屋は普通だった。校長先生の頭が寂しかったのはここだけの話だ。
「体育館に行って準備をしよう。体育館の向かいに部屋があるからメイクして発表の練習をしといたら?今は授業中だから大きな声はダメだよ。」
この静かな雰囲気で大きな声は出せないよ。
「わかりました。行ってきます。」
この高校には似合わないプレハブ二階建の建物に入ろうとしたが開かなかった。みんな忙しいから自分で探して別のとこに行こう。と決めて近くにいた先生にどこか演説の練習ができるかないか聞いた。
先生に道を途中まで案内してもらった。
「ここから真っ直ぐいけばプレハブの建物があるので、どうぞお使いください」と言われて。
言うとおり真っ直ぐに歩いたらこの高校には似合わないボロボロなプレハブの建物があった。
ドアを開けるとすぐ、正面に座っている長身の男と目が合った。ワイシャツをだらしなくはおり、髪は鳥の巣のようにグシャグシャ誰がどうみても寝癖だ。今にも眠ってしまいそうな、半開きの目でまじまじと見られる
これが木村葉との出会いだった。
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