白と黒。

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もう純粋に物事を考えるのはやめよう。 現実は予想以上に真っ黒で、あたしはそれに染まりたくなかった。 知っていても、見たくなかった。 聞きたくなかった。 自分を真っ白だなんて思ってはいないけど、白に近い人間のままで居たかったよ。 人が変わっていく様を今までたくさん見てきたけど、人が変わる事は知ってるけど、それでも信じたかった。 純粋に 真っ直ぐに 変わらないものだって 存在すると。 それに触れたかった。 変わることが当たり前なら 変わらない奇跡に 触れたかったよ。 大人になんか なりたくなかったな。 綺麗なままで 綺麗なことだけ 見ていたかった。 けれどそれでは 傷つくって事を 知ってしまったから..
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