prolog~願い~

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「退屈だ…」 毎日繰り返される日々。朝起きて、顔を洗って朝食とって歯を磨いて支度して、家を出て学校へ行って退屈な授業を受けて家に帰って… 「なんかなー」 平和過ぎるのは別にいいんだ。ただ高校生の男子の俺からすると刺激が少し欲しいというか… 俺、定島龍之介(さだしまりゅうのすけ)はごく普通の高校一年だ。 高校一年は何事も新たな刺激を欲しがる年頃でもある。 人より少しはかっこつけたいお年頃。それが凄く周りから馬鹿にされているとわかっていてもついかっこつけたくなるのだ。 「なんか…落ちてないかね」 屋上の給水塔の上にねっころがりながら空を見上げる。 授業は退屈だ。しょっちゅうさぼってる。 どうせ勉強なんかできる頭じゃないと最初からわかってるし、親だって俺に期待していないのわかるから。 「雨…降りそうだな」 雲が灰色で、微かに雨の匂いがする。雨が降る予兆… 手を伸ばす。 どうせ何も掴めないとわかっていても空をつかみたくなる。こんなに広い空をみると… ―助けて… 「?」 なんだ?幻聴か? ―私を助けて… 「……」 なんだ?知らない声なのに悲しい気持ちになるのは… 「は…はは、とうとう頭いかれちまったか俺?これが所謂オタク用語でいう厨二病ってやつか?」 しかし厨ニって都合の良い言葉な気がする。 SFものや童話だって本来なら現実にありえない事だからそれらに分類されるのに有名な作品だと普通に扱われ、逆にマイナーだと全部厨ニで扱われる。その境がわからない。 「…でも意外と厨ニいいまくってる本人が一番自分かっこいいとか思ってるのかもしれないな。オタクしかしらない言葉。一般人は知らないだろって……ありえる」 俺はなんとなく軽く毒を吐き。給水塔からおりた…が。 「うわっ…」 間抜けにもおりる時の足をおく位置がずれ…俺はそのままバランスを崩し… 「やばっ」 頭をかばい、躯を丸める。 「っ…」 あー…悪口なんかいった報いか?最悪だ。ま、こんな日もある。授業をそろそろ出ろという神のお告げかもしれん。 そして俺は強烈な痛みを躯に受けると打ち所が悪かったのか気を失った… (か…かっこわるいぜ) そう心の中で言って… .
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