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礼儀正しく胸に手をそえてお辞儀する。
エレス国…どこの外国の国なのか。
そしてルーシアという女をみる。
確かに見た目はお嬢様だ。しかし口調といい態度といい、俺にはお嬢様に正直みえないでいた。
「お姫様な…、普通お姫様って大人しくて気品あって、言葉数少なくて、でも少しだけ強気で…そして弱々しい……そう、赤いちょび髭おっさんにいつも助けられるピンクのドレスきたあのお姫様が頭に浮かぶんだけど…」
「なんだそれは。残念だがお前の妄想は打ち砕かせてもらうぞ。そんなお姫様なんているわけないだろ。お姫様というのは一言でいうと我が儘でできているのだ。つまり私だな」
そこ威張るとこじゃないんだが……
「それにお姫様の運命の相手が必ずしも王子様なんてのは有り得ないのだ。私は嫌だな。それに王子なんて皆我が儘で肝心な時に役にたたない。女のがまだ強いぞ?第一王子とか特に甘やかされて育った奴が多い。そしてマザコンだ」
「そう…なのか?」
「あぁ…多分な」
多分って。
「セバリックから聞いたから私は実際そういう男はみた事ないのだ」
「いつかお嬢様にみせてあげますよ」
「……いつか、な」
ふと声が低くなったのはきっと気のせいだ。
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