こくはく

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   季節は過ぎる。  夏の暑さがまだ残っている今。夏休みと言う学生にとっての一大イベントが終わり、早いもので一ヵ月が過ぎようとしていた。  夏休みの間に、真はゆっくりと男に戻っていった。  一番苦労したのは、一人称だろうか?  真は〝俺〟と言う言葉が中々言えなかった。  まぁ、一ヵ月も無理矢理〝俺〟って言わせれば流石に慣れたみたいで。  とにかく、真は何処に出しても恥ずかしくないくらい男になった。  それが、凄く嬉しくもあり……とても悲しくもあった。  とにかく、真は完璧な美男子になった。  喋り方は前と変らず二言三言何だけど、見た目が大分格好良くなった為か、根暗無口キャラが一辺、クールな王子様キャラに変わった。  「大塚君、格好良くなったねぇ~」  と、クラスの女子の声を聞くと苦しくなった。  「アンタ、大塚の何?マジでウザイんだけど」  私が真と一緒に入る事が多いからか、明らかにミーハーなギャルに絡まれたりもした。  その度に、叫びたい気持ちになった。  真が好きだよ……と。  真の彼女になりたい……と。  私は、自分を何度も殺しながら。真と少し距離を置いた。
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