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そして、あの日。
私は、学校が終わって家にいた。
最近、真と話して無い。何だか淋しくなった。
ピピピっと、無機質な音が鳴る。
携帯からだ。
私は、真からだと良いなぁ~何て思いながら、携帯を開いた。
――着信:まこと――
本当に真からだった。
私は急いで電話に出た。
真の声が聞きたい。
真に会いたい。
真に触れたい。
真に……抱き締められたい。
私の胸に詰まった黒い欲望を吐き出すかの様に叫んだ。
「真!!」
電話の向こうで驚いた声が聞こえ、私は正気に戻った。
「あっ、ごめん。おっきな声出して……」
『いゃ、大丈夫だ。ちょっと驚いただけ』
久々に聞いた真の声に、私は安心した。
と同時に緊張した。
わざわざ電話をした真。私みたいに声が聞きたかった……訳じゃ無いと思う。
何か、嫌な凄く嫌な予感がした。
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