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不意に、このまま電話を切りたくなった。
「どっ、どうしたの?」
それでも、私は真に話しかけた。
でも、
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
『あのな、美音』
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
『実は……俺』
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
『彼女が出来た』
何かが、大切な何かが壊れた気がした。
それからは、あまり覚えて無い。
真が彼女の話をしだして、私が何とか『おめでと~』だの『やっと真のお守りをしなくて良くなるわ~』だの、思ってもいない事ばかり言った様な気がする。
嫌だった。私だけを見て欲しかった。
終わったと思ってた……諦めたと思ってた。
でも、まだ続いていた。私の〝初恋〟は、今日、この日、再び蘇り――――無惨に散った。
真との話しが終わって、携帯を投げ捨て、私は……泣いていた。
泣いて泣いて……散った〝初恋〟を洗い流そうとした。
でも、
いくら泣いても、私の〝初恋〟は無くならなかった。
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