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私とマコちゃんが小学校三年生の時。
それは、ある日の放課後。生徒はほとんど帰ってしまった静かな学校。
そんな中、私は、帰る前にちょっとトイレに寄っていた。
そして、トイレを済まして出ようとした時……
「……あっ」
私は、彼に出会った。
彼は何の戸惑いも無く女子トイレに入ってきた。
「ごっ、ごめんなさい。わた……いゃ、僕間違えました!」
彼は、脱兎の如く女子トイレから出ていった。
(何だったんだろう?)
私は、さっきの男の子の事を考えながら手を洗い、女子トイレから出た。
「あれ?」
女子トイレから出ると、さっきの男の子が男子トイレの前でそわそわしていた。
「あっ……」
私に気付いた男の子は、顔を真っ赤にしながら男子トイレに駆け込んでいった。
(……何か変だ)
私は、変な違和感を感じ、彼がトイレから出て来るまでずっと考えながら待っていた。
「……あっ」
男子トイレから出て来た男の子は、私を見つけた瞬間、声を漏らした。
私は、素直に考えていた事を彼にいった。
「アナタ……女の子?」
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