はじまり

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   「アナタ……女の子?」  私の言葉を聞いた瞬間の彼の顔は、今だに忘れられない。  驚愕と絶望の表情。そして、その中に何処か嬉しそうな感情が混ざっていた気がする。  「ちっ、違うよ!」  顔を真っ赤にして叫ぶ彼。そのまま彼は、走りさってしまった。  私は、そんな彼の後ろ姿を見て興味を抱いた。  他人に興味を持った事の無い私が持った、小さな小さな興味。  その日以降、私は彼に付きまとう様になった。  毎日毎日、私は彼に会いに行った。  初めこそ嫌がっていた彼だけど、一週間が経った辺りから諦めたのか徐々に仲良くなっていった。  私は、一緒に喋る彼を、一緒に帰る彼を、一緒に遊ぶ彼を観察していった。  私の赤いランドセルを羨ましそうに見る彼。女の子が見る様なアニメの話し。そのアニメのオモチャが欲しいけど、無理なんだと愚痴ってた顔。私が履いているスカートが可愛いと褒める言葉。  そして、私は彼が女の子に近いと判断した。  それでも、私は彼から離れようなんてしなかった。  興味があるから?……うん、多分違う。  私は彼に恋をしてたんだと思う。  絶対に叶わない初恋を……
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