どーゆーこと!?

2/5
前へ
/33ページ
次へ
   ある日、高校初めての夏休みに入ってから少し経った日。私は、部屋で真と二人っきりだった。  前にもあったこの感じ……何だか凄く嫌な感じがした。  「それで?話ってなに?マコちゃん?」  話しがあると言って家に来た真は、顔を赤らめながら俯いている。  (ははぁ~ん、これは恋の悩みですかな?)  これまで、真は恋をした事が無かった。  性同一性障害の彼女は、どこと無く恋愛に臆病になっていたのかもしれない。  とにかく、私達の間で恋バナは全く無かった。  (好きな男は?って聞くと『私、男だし……』とか言っていた真に遂に春が来たのか?)  少しだけ、本当に少しだけ、懐かしい痛みを感じた。  「えっとね、みーちゃん?」  やっと口を開いた真を見ながら、極めていつも通りに返事をする。  「なに?」  真は、深呼吸をしてゆっくりと、真剣な顔で私を見た。  その顔にドキッとした私だったが、真は女!と心の中で三回唱える事で何とかごまかした。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

175人が本棚に入れています
本棚に追加