出会い

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
私とあなたが初めて出会ったのは、今から10年ぐらい前。 私は当時、家からチャリで10分ほどの駅前にあるビジネス専門学校に通っていた。学校は共学だったけど私の学科は女の子だけのクラスでパソコンはもちろん礼儀作法やメイクなどの女性らしさを求める授業もあった。 彼氏もいなかったから友達と遊ぶのが楽しくてしょうがなった。友達からは『ゆっき』と呼ばれていた。本名 池田祐希9月生まれの乙女座でA型。 私は専門に入学すると同時に新規オープンのスーパーでレジのバイトを始めた。家と学校の中間にあり、当時の私の行動範囲は家→学校→バイト先→家と実に狭いものだった。 そんなある日、いつものようにレジにいると、見慣れない男性がサービスカウンターにいた。それがあなただった。新しくドラッグコーナーに配属されてきた社員。ボサボサの髪、無精髭、ヨレヨレの白衣に眼鏡を掛けて誰かと話している姿を初めて見た。 第一印象は汚い男だな…って。絶対、好きにならないと思った。でも、不思議な事にサービスカウンターを立ち去るあなたを私は目で追っていた、無意識のうちに… 後日、歓迎会を兼ねてマネージャー、レジのお局様、あなたと何故か呑みに行くことになった。そこで初めてあなたの名前を知ったんだよ。『佐藤明政』27才独身。「7才も年上なんだ!オッサンじゃん!!」と酔っ払いな私は暴言を吐いた… ただアナタは笑って「お子ちゃまは、そろそろ寝る時間だよ!」と良いながらデコピンをした! 『やっぱりコイツ嫌いだな』私は思った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!