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俺の名前は百々 太朗(もも たろう)。
親が何を考えて『百々(もも)』の名字に『太朗』なんて名前をつけたのか聞きたくもないが、この名前で苦労してきたのは皆様ご想像の通りである。
名前だけでメガトン級のインパクトを放つ俺は、これ以上目立たないようにと努めてもの静かに、見た目も伊達眼鏡に冴えない短い黒髪、中肉中背とどこにでもいそうな男子高校生に自ら扮していた。
そのためか周りの人間からは「青春真っ只中の17歳にしては大人びている」とか「悟りを開いた」と言われる。
静かに目立たず慎ましく生きる……
それが俺の生きる道だった。
『だった(過去形)』
そう、ありえない事件に巻き込まれてしまい、その日常は儚くも散った。
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