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1980年(桜木町)
「あなたに作ったの、ちょっと女の子っぽいけど」
福山雅次、(7歳)
桜木町に、おばあちゃんと二人で住んでいる。
赤い屋根の木造の家だ。
小さい橋の側に建っている。
周りに比べると小さくて狭い家だったが、二人で住むにはちょうどよかった。
おばあちゃんはとても優しくて、大好きだった。
お父さんとお母さんは小さい時に、事故で死んでしまった。
おばあちゃんは僕を引き取り、大切にしてくれた。
しかし、僕の身請け人が見つかり、おばあちゃんと離れる事になった。
ちょっとビーズのアクセサリーなんて、男の僕が着けるのは恥ずかしかったが、これが最後なのだ。
「ありがとう、大切にするよ」
僕はおばあちゃんに別れを告げ、新しい家へと引き取られていった。
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