12人が本棚に入れています
本棚に追加
2009年(福山雅次編)
季節は春。
とてもポカポカした陽気だった。
福山雅次(36歳)は桜木町、みなとみらいの開発の仕事をしている。
今年は横浜の開港150周年で、色々なイベントが行われている。
みなとみらいの開発は進み、横浜はみなとみらい以外にも、赤レンガ倉庫や山下公園のスカイタワーなど、昔に比べると見違えるようになった。
俺はみなとみらいの地図の入ったノート片手に、整備箇所のチェックを行っていた。
どうも朝の牛乳が当たったのか知らないが、腹が痛くなってしまった。
「イテテッ!漏れる!漏れるぅぅぅ!」
ケツを押さえ、近くの古そうなトイレを見つける。
「ラ、ラッキー!」
俺は洋式トイレに入り、一気にズボンを下ろす。
そして、洋式の座椅子に座ろうとして、なぜか……
スッテン!
と転んでしまう。
「イテテッ、こんな何もない所で転ぶなんてついてないな」
福山は用を済ませると、勢いよく水で流した。
「ふぅ~、さっぱりしたぜ」
鏡で手を洗うと、ハンカチを口に挟み、乱れた髪をセットする。
男は身嗜みが大切だ。
いつ出会いがあるかわからないのだ。
福山は外へ出た。
最初のコメントを投稿しよう!