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何だか今、珍しい光景を目の当たりにしているような気がするんだけど………気のせいか? sade要 要「………うーん…?」 赤火「……なんだよ?」 奏「どうしたのー?」 目の前の2人にキョトンとされて2つの視線を向けられ、俺は少しだけたじろいだ。 要「あ、いや……2人共……そんな仲良かったっけ?」 正直な話、2人が親しげに話をしているのを余り見たことがなかった気がする。 仲が悪いってのは違う……なんかよそよそしい感じ? 奏「え、悪いように見えた?」 赤火「だとしたら奏のせいか……」 奏「うん?しょうチャン、何か言ったかな?」 赤火「その呼び名は止めろ!つか何だよそのハリセン!?」 奏「エヘッ 君専用に作らせた天然高級馬革使用のハリセンだよ!」 赤火「無意味に高級だな!絶対痛いだろっ!?」 とか何とか言っている2人を横目に首を傾げる。 まだスッキリしていない俺に気づいたのか、はたまた単に話題を逸らしたかっただけなのか(絶対後者)、赤火は俺の隣りにやって来て再度“で?”と尋ねてくる。 要「……2人共、なんで急に仲良くなったんだ?」 少しの逡巡を経て口にすると、何故か赤火は複雑そうに人差し指で顎を掻いていて、奏は使用出来なかったハリセンを残念そうに背中へ仕舞っていた。 ――…てゆうか、その服のどこにあんなデカいハリセンを……… そんな怪訝な俺に、見るだけなら結構可愛い笑みを浮かべた奏は右手を腰に当て、人差し指を立てて悪戯っぽく告げたのだ。 奏「私と赤火は恋人同士ですから!」 要「…………………は?」 赤火「あぁ――…うん、まぁ……そういうコト」 要「は!?いつから!?」 奏「えっと……君が越して来る前から?」 ――――知らなかった… いや、じゃあ何で今まで? 赤火「それは……なんつーか、すれ違い?」 奏「赤火の浮気が原因でしょ?」 赤火「浮気じゃない!遊びに行ってただけだって!」 奏「ハイハイ」 要「……あのさ、さっきから俺置いてくの止めね?」 今回俺あんま喋ってないんだけど? 後日奏に聞いたところ、以前は別れる別れないで微妙な関係だったらしいが、話合った末に仲直りして今の形に収まったらしい。 …………恋愛ってややこしいな…… 響に愛想つかれないように気をつけよ。うん。 完
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