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あれから半年――
シモンはすっかり元気を取り戻し、今は中庭でエリスと遊んでいる。
あの後、シモンの属性の事に関してはバーンズ家だけの秘密とし、シモンとエリスにも絶対に他言しないようにとハバドが言い聞かせた。
さらにシモンに関しては、例え人目の付かない場所であろうとも、決して闇魔法を使わないとハバドと堅い約束を結んだ。
「何か分かったか?」
薄暗い個室で書物に埋もれながらも、机にかじりついて何かの本を読んでいるハバド。
その隣でアースが顔を覗かせる。
「いや、さっぱり…」
ハバドは本から目を離し、両手を上に伸ばした。
「なんで純粋な火属性の俺とアンリから闇属性のシモンが産まれたのか…
調べても調べても、それらしい記述は全く無い」
ハァっと深い溜め息を漏らして、側にある冷めたコーヒーをすする。
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