崩壊

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午前も終わりに近づき、日が高くなり始めた。 屋敷の丁度真ん中、それのさらにてっぺんにある時計にシモンは目をやった。 「お昼の時間だ。エリス、行こ!」 「うん!」 2人は仲良く肩を並べて走り出す。 リビングにつくといつも通り食事は用意されており、ハバド、アンリ、アースがすでに席に着いていた。 2人も急いで自席に着き、アンリに目を向ける。 「では揃ったところで…頂きましょう」 アンリの言葉に4人は頷いてナイフとフォークを取る。 今日の昼食は魚のムニエル。 シモンはそれを食べながら、何かを考えている様子のハバドに話しかけた。 「ねぇ父ちゃん!今日は組み手してくれる?」 するとハバドはパッとこちらに目を向け、申し訳なさそうに苦笑いを浮かべる。 「悪いな。まだ仕事が残ってるんだ」
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